独立して「株式会社カルミナ」始めます。

11月から会社員ではなく、独立して仕事をします。

内容を一言でいうと、NPOやソーシャルベンチャー向けのITコンサルティング業務です。
コンサルティングというよりもITソリューション提供をメイン事業とするのですが、SIerはIT業界用語だと思うので、コンサルティング業務とします。

これまで、ITエンジニアとして10年間、NPOプロボノとして4年間活動してみて、今後自分にしかできないことはなんだろう、と考えた結果、次のフェーズとしてこれを仕事としてやろうと決めました。

決めた理由はいくつかあります。

ソーシャルセクターの組織がIT専任者を置けない、置けても待遇的に採用できないという課題を解決したい

NPOで4年間活動して、一番解決したいと感じた課題がこれです。

ITエンジニアのスキルってどの会社でも共通して通用するスキルが多いので、優秀な人材になればなるほど、自然と待遇のいい環境に身を置く、ということを肌で感じます。

そして、NPO、特に寄付で経営している組織ですと、受益者へ直接の支援にはならないITコストはできるだけ下げたいという考えは分かります。

でもそれは私には解決できない問題です。
職業選択の自由が保障されている限り、そして寄付者全員の理解がない限り、難しい問題です。

しかし、中小企業の顧問弁護士や顧問税理士のように「顧問」(=パートタイムの専門家)という形で仕事をしてみて、それがビジネスとして成立するのであれば、エンジニアの待遇、そしてITコストの双方を解決する一助になるのではと考えています。

最近のITベンチャーでは「技術顧問」という方がいらっしゃいます。

例えば、創業メンバーが全員プログラムを書くのが得意でも、サービスを安定的に運用する技術は全く別のところにあるため、運用の技術については技術顧問の方に週一で来てもらってサービス全体を運営しているというような例です。

これ、結構一般的になりつつあります。

カルミナとしては、「カルミナCIO」という形でNPOやソーシャルベンチャーの「情報技術顧問」という役目を果たすことができればと考えています。

ソーシャルセクターにお金が流入しているのに、IT専業の人材がいない

最近、NPOにも融資したい!社会的投資したい!という話をよく聞く気がします。

これはとてもいいことで、融資や投資を活用すれば、それだけ事業を大きくできるし、受益者が受ける恩恵もそれだけ大きくなることになります。

一方で、これまでよりさらに財務の透明性と事業継続性が求められるようになるとも言えます。

「入出金をExcelで管理はダメだよね。」「紙のマニュアルや口伝では継続的ではないよね。」とソーシャルセクターの方々はもちろんご存知です。

しかし、ソーシャルセクター×ITの人材がとても少ないのです。

例えば、アメリカだとNonprofit Technology(非営利組織向けテクノロジー)という分野が存在し、優秀な人材がたくさんいて、好事例がたくさん共有され、研究され、議論され、競争されています。

常に新しい非営利組織向けのテクノロジーが開発され、安価に利用可能ですし、それを活用するIT人材も豊富にいるようです。

日本もこうなってほしい。非力ですが、その一部になりたいと考えています。

プロボノ時間で自分ができることはもうやりつくした、本業ならもっと面白いことができる

かものはしでインド事業のデータベースシステムを作っていたときに感じました。これがおそらく私個人が本業以外の時間でやれる最大であると。

プロボノには限界があります。
本業もあるし、プライベートもあるし、子どもができるとかなり活動の継続が厳しいです(これをプロボノの寿退社と私は言っています)。

もちろん限界までプロボノをやってほしいし、限界をできるだけ上に上げる仕組みを作りたいと思っています。
それが、NPO法人Make it Betterの一つの役割ですし、私自身のこれまでのプロボノ経験を活用して提供できる価値だと考えています。

Make it Betterは今後もやります。
ITプロボノの楽しさをもっと知ってほしいし、活躍する人材がたくさん出て、大きな価値を出せるようにしたいと考えています。

私と私の周囲の試行錯誤を形式知にして、共有することで、私一人が頑張るよりもスケールアウトするのではないかという考えです。

一方で私自身が提供できる価値として考えたときに、本業なら、家族の時間以外全部使えますし、平日昼に動けるので他の企業とも連携できるし、もっと面白いことがいっぱいできます。

いま色々と仕掛けを考えています。様々な企業とも相談させていただいているので、随時お伝えして参ります。

やりたいこととやっていることとを一致させる

これってキャリア系の本にはよく書かれているのですが、「本当にこんな人いるわけないでしょ!」「ソフトバンクの孫社長とか一部のすごい人たちだけでしょ!」なんてずっと思っていた訳です。

でも、ソーシャルセクターの人たちってみんなやりたいこととやっていることが一致しているし、それでご飯も食べている訳で、社会からの要請とも一致している訳です。

それを目の当たりにすると、もしかして俺もできるんじゃないか?なんて考えたりしてしまっています。

学生の時は、「ITで途上国を支援する」と思い、システムエンジニアになりました。
この思いからは少し変わりつつも「ITで社会課題の解決を支援する」という軸はぶれないように肝に銘じて、活動して参ります。

社会からの要請がどれだけあるのか正直不透明な中での決断ですが、皆様に支えていただけると信じてやってみます。

子どもが生まれて、60年後の未来が自分事になった

9月10日に子どもができました。
お腹がだんだん大きくなる妻と違い、私は9月9日まで父親としての実感はありませんでした。

生まれた翌日、子どもが生まれながらの病気のために手術をしました。
担当医の事前説明で「何かあった時は逐次お父さんにご報告いたします。お父さんの判断に従って、治療を進めます。」と言われました。

この瞬間、父親としての実感がわきました。
一人の人間の生死の判断を自分がしなければならないと思い、とても大きな責任を感じました。

それとともに、「自分たちの世代が作る未来を彼女は生きていく」と思うと、しっかり社会に貢献できることをやっていかないといけないとも思いました。

自分が死んで見ることができない未来でも、責任を持たないといけない。そう、自分事になった瞬間でした。

子どもを持つことが幸せの全てではないし、私が社会を変えられるとも思っていません。
私の感情の変化の一つとしてとらえていただけると幸いです。

株式会社としてソーシャルセクターに関わりたい

今回独立するにあたって、企業の方とも沢山話をしたのですが、やっぱりNPOに対する正しい理解が一般的に広まっているとは言えず、いちいち説明するのも正直面倒に感じています。

一つ例にとると、一般的なBtoBビジネスでは当たり前の「仕切価格」(商品やサービスを一定の割引率で卸す価格のこと)っていうのもNPO法人がやると違和感があるらしく、結構聞かれます。

こういう部分は、まだまだ成熟していないと感じるのですが、やりたいことをやる上で障壁にあたるのをできるだけ避けるという意味で、株式会社を選択しました。

個人事業主ではなく、法人形態を取るのも、BtoB取引の信用性というメリットが最大の理由です。

この選択をした上で、株式会社という形態でも資本主義の罠にとらわれずにいかに事業を拡大していくかというところをやっていきたいと考えています。

最後に

今回独立するにあたり、妻には結構長い期間相談しました。
結構本質的な質問もされましたし、絵空事ではなく現実的に本当にできるの?とも何度も説明を求められました。

そのやりとりのおかげで、現実的に家庭を経済的に支えながら、やりたいことをやれる仕組みを考えられたと思っています。

そして何よりも私のわがままに近い相談を最終的に賛成してくれた妻に感謝しています。
「お金が立ちいかなくなったときは、アルバイトしてね。」って言われているので本気でやろうと思います。

もう退路は断ちました。
みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社カルミナ 代表取締役 安藤昭太

あ、あとWebサイト作りました。事業内容はこちらをご覧ください!

http://carmina.co.jp/

できたらPCで見てもらえると嬉しいです。

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