笑顔が世界を変えるMERRY PROJECT:水谷孝次さん(東工大公開講座)

いま、東京工業大学の大岡山キャンパスでノンプロフィットマネジメントコース公開講座2014という大学の公開講座に出席しています。

今回は第3回目で、MERRY PROJECTの水谷孝次さんでした。

上の写真を見たことある方もたくさんいらっしゃると思いますが、上の写真は北京五輪の開会式でやった「笑顔の傘」です。

北京五輪でなくとも、この「笑顔の傘」を見たことある人は多いと思います。

デザインはお金のためにやるんじゃない

水谷さんの本業はポスターや商品パッケージをデザインするデザイナーです。

例えば、ウィダーinゼリーのパッケージ(下)とか、

ウイダーinゼリー

出典:dietmotivation.net

昔のダイエーホークスのロゴ(下)とか、

ダイエーホークスロゴ

出典:水谷事務所

を作っている方です。

もともと商業デザインのみで仕事をしていたのですが、阪神大震災を気にソーシャルデザインの世界へ入ったそうです。

おそらく90年代は、まだソーシャルデザインなんて言葉もなく、そんな世界もなかったんだろうと思いますが、水谷さんは早くからソーシャルなデザインを提唱し、普及してきた方です。

水谷さん曰く、広告や宣伝には(特にバブル期には)とても多くのお金が使われて、デザイン料も沢山入ってきたそうですが、誰も褒めてくれない仕事をこのまま続けて本当にいいのだろうか、という疑問があったそうです。

阪神大震災でCome Together for KOBEというポスターを作り、神戸の街にそれを貼ることで、知らないおばちゃんから感謝されたり、褒めてくれることで、仕事の本質はここにあるんじゃないかと感じたそうです。

今でこそ社会起業やソーシャルビジネスのように名前がつけられ、浸透しつつある概念ですが、バブルがはじけてすぐの時代にそれを感じ、実行に移されたというのは常に時代の先端を感じ取っている方なんだなと感じます。

北京五輪での笑顔プロジェクト

北京五輪の笑顔の傘も実現するまでとても大変だったそうです。

総合監督だったチャンイーモウ監督はすぐにOKしてくれたのですが、中国政府の法律家たちが、子供たちの戸籍謄本などの書類を沢山出せといってきたそうです。

書類がそろうのは、先進国の家庭環境が比較的いい子供たちだけ。そうなってしまえば、子供たちの笑顔に偏りが出てきてしまいます。

何回も手紙を書き、中国へも手弁当で行き、北京五輪のクリエイティブチームもかなり動いたおかげで最終的には、実現しました。

この困難を超えられたのは、「笑顔は奇跡をおこす」からだと水谷さんは言います。

これからのデザイン

アメリカのデザイナー達は大学で社会学や経済学を学んで、企業に入って初めてデザインを学び、それを本業とするそうです。日本のように美術専攻の学生がそのまま企業に入ってデザインをするのとは少し環境が違うそうです。

その分アメリカのデザインは、マーケティングがしっかりしていて、コンセプトやストーリーが明確だそうです。そして、これからはそれが必要であるとおっしゃっていました。

事務所のデザイナー達には、感性でデザインをするな!とよく言っているそうです。

最後に

MERRY PROJECTは完全非営利な活動なのですが、その活動の源泉は他の商業デザインからもってくるそうです。つまり、水谷さんの会社の完全持ち出し。

資金繰りはやはり大変で、思いが強くなければとてもじゃないが15年も続けられなかったと言います。

北京五輪にも出て、情熱大陸にも出ている方でも、純粋に社会に対していいことをするというのは、金銭面では大変なご苦労をされていると感じました。

お金がたくさん出るからではなく、社会に本当に価値を見出すことが、多くの方に支援していただける世の中になるのは、まだまだ時間が必要であり、でもやっていかなければならないという思いと決意を熱いプレゼンの中で感じることができました。

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