Googleインパクトチャレンジ募集開始!:過去どのようなテクノロジーが受賞しているのか

本日、Googleインパクトチャレンジが開始されました。

https://impactchallenge.withgoogle.com/japan

テクノロジーで、もっといい世界がつくれる。Google は、心からそう信じています。
この目標をより早く達成しようと、Google クライシス レスポンスや、非営利団体向けGoogle サービスの提供などを通じて Google は非営利団体を応援しています。

Google インパクトチャレンジは、様々なテクノロジーの活用を通じ、社会問題の解決にチャレンジする非営利団体を支援するプログラムです。

簡単に言うと、Googleが選出した4団体に対して、5000万円の助成金とGoogle技術者の協力が得られるというプログラムです。

このプログラムでは、革新的でスケーラブルな社会にインパクトのある実現可能なテクノロジーを使用している必要があります。

5000万円というと、かなりいい感じの規模のITシステムができます。
感覚的に言うと、画面数で550画面くらいのWebシステムができます※。

すごい規模です。もちろん全部システムに投資することはないのですが、それでも結構いい感じのシステムが出来上がります。

そこで気になるのが、どういうテクノロジーがこれまで受賞していて、実際に社会にインパクトを出していこうとしているのか、ということです。

これまでこのプログラムは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ブラジル、インドで展開されています。

各国で受賞された団体が、どのようなテクノロジーを訴求し、助成を得たのかを調べてみたので記載してみます。

オーストラリア

AIME

進学率が平均の半分である先住民の学生たちの進学率を上げることをミッションとしている団体です。

AIMESTARというオンラインゲームを通して、数学や理科を学習できるようにし、科学分野やデザイン、イノベーション分野の興味を惹起させようとしています。

3年以内に、AIMESTARを10,000人の先住民の学生たちに使ってもらい、数学や理科の成績を挙げたいと考えています。

https://impactchallenge.withgoogle.com/australia2014/charity/aime

Engineers Without Borders Australia

カンボジアの不衛生な農村地域で「バイオ分解トイレ」を設置し、衛生環境の向上をミッションとしている団体です。

3年以内に、25の地方起業家をネットワーク化し、2500のバイオ分解トイレを設置し、15,000人が使用する予定です。

https://impactchallenge.withgoogle.com/australia2014/charity/engineers-without-borders

Infoxchange

ホームレスやホームレスになりそうな人たちに民間や行政サービスを紹介し、生活を支援している団体です。

Homeless Assistという携帯アプリを作成し、ホームレスやホームレスになりそうな人たちに食事やシェルター、健康を支援しようと考えています。

支援サービスを知らない人を50%削減することで、100,000人のホームレスのQOLを向上し、300万ドルのホームレス関連費用の削減を目指しています。

https://impactchallenge.withgoogle.com/australia2014/charity/infoxchange

The Fred Hollows Foundation

世界中に拡がる糖尿病合併症による失明患者の削減を目指す団体です。

眼底の高画質写真を撮影して糖尿病性網膜症の診断を行う、MARVINというタブレット端末を開発し、その場で眼の診断をできるようにし、遠隔地域の患者を診断し、失明を予防するシステムにする予定です。

3年以内に、200のMARVINシステムを構築し、600万人の診断データを収集する予定です。

https://impactchallenge.withgoogle.com/australia2014/charity/the-fred-hollows-foundation

※2014/12/8追記
「MARVINというタブレット端末を開発し、リモートで眼の診断をできるように」と記載していましたが、翻訳元記事では、「リモートで」眼の診断ができる記述はなかったため、表記を「その場で」に変更しました。
kurieditsさん、ご指摘ありがとうございます。

イギリス

RNIB

イギリスでは、失明患者の90%が微弱な視力があり、彼らの視力をスマート眼鏡で「見える」ようにし、生活の向上と自尊心の回復に取り組む団体です。

試作機は完成しており、先行ユーザーに使用して頂いています。

向こう18ヵ月で1,000人のユーザーに使用して頂く一方で、低コストでスマート眼鏡を提供できるように基金を設立します。

https://impactchallenge.withgoogle.com/uk2014/charity/rnib

Centrepoint

イギリス中の若者ホームレスを路上生活から救うことをミッションとする団体です。

ホームレス経験のある若者を調査し、彼らがなぜ路上生活から脱出できたのかをデータベース化するシステムを構築し、若者がホームレスになる傾向を分析したいと考えています。

このシステムにより、イギリス全土の約80,000人の若者ホームレスを路上生活から救おうとしています。

https://impactchallenge.withgoogle.com/uk2014/charity/centrepoint

Royal Botanic Gardens Kew

蚊の媒介による深刻な病気の削減を目指す団体です。

装着可能な蚊の分析装置を開発し、インドネシアの一地域で使用します。
この分析装置は、羽音で蚊の種類を分類し、危険な蚊のいるエリアを特定することができます。

これをスマートフォンアプリと装置で一体システムとし、インドネシアにおける150の地域で活用し、蚊の媒介による伝染病の削減を目指します。
もちろん世界中で使用することが可能です。

https://impactchallenge.withgoogle.com/uk2014/charity/kew

WeFarm

世界中の農民による、農業ノウハウの共有を目指す団体です。

携帯アプリを開発し、国を超えたすべての農民がそのノウハウを共有できるシステムを構築します。
このテクノロジーは既に存在し、肥料を買えないペルーの農民が、低コストの有機農法のノウハウをケニアの農民から得ることができています。

今後3年間でWeFarmは、500万人の小規模農家にこれを提供することを目指しています。

https://impactchallenge.withgoogle.com/uk2014/charity/we-farm

アメリカ

Bring Me a Book

低収入の家庭の子供たちに本を提供することをミッションとする団体です。

Digital4Literacyでは、多言語で電子書籍を子供たちに提供し、その家族にオンラインの支援コミュニティーを提供します。

今後3年間で、432の幼稚園に40,000の電子書籍を提供する予定です。

https://impactchallenge.withgoogle.com/bayarea2014/charity/bring-me-a-book

Center for Employment Opportunities

犯罪者の64%が再犯を繰り返す中、出所者に職を提供し、生活基盤を安定させ再犯を阻止することを目指す団体です。

オンライン上に求人票を公開し、出所者がアクセスできるようなシステムを構築します。

2年以内に280のフルタイム職を提供することを目指しています。

https://impactchallenge.withgoogle.com/bayarea2014/charity/center-for-employment-opportunities

Hack the Hood

低収入コミュニティーの学生たちは、理数系の教科にうまくなじめず、技術職につける可能性が低くなります。

そんな低収入の家庭の子供たちに、地域のビジネスオーナー向けにWebサイトを構築できるシステムを提供し、技術職の第一歩を提供します。

2年以内に、5,000人の学生がベイエリアを中心に25,000のビジネスにアクセスできるようにし、技術職の訓練ができるようにします。

https://impactchallenge.withgoogle.com/bayarea2014/charity/hack-the-hood

The Health Trust

サンタクララ郡の24%の子供たちが栄養ある食事にありつけない、という問題を解決しようとする団体です。

Good. To go.プログラムは、彼らに安くて栄養のある食べ物を提供する新しい手段を構築します。
このプログラムには、露天商や小規模商店、ファーマーズマーケットの人たちがアクセスできるようにします。

2年をかけて、約22,500kgの食べ物を10,000人の低収入のサンタクララ郡住民に提供します。

https://impactchallenge.withgoogle.com/bayarea2014/charity/the-health-trust

ブラジル

Conservation International Brazil

ブラジルで、持続可能でない方法での漁業を問題視し、持続可能な漁業を推進している団体です。

漁業のサプライチェーンを可視化できるプラットフォームを構築し、消費者が携帯アプリでいつでもプラットフォーム内のデータにアクセスできるようにするシステムを目指しています。

2年間で、ブラジル沿岸の60,000人の漁師がプラットフォームに参加し、何千人もの消費者がデータを見られるようにしていきます。

https://www.google.org/impact-challenge/conservacao-internacional/

Geledés

国内で発生するDV(家庭内暴力)から被害者を守るための団体です。

「パニックボタン」アプリを作成し、被害下にある女性からソーシャルネットワークやケアプロバイダーに連絡が行くようなシステムを構築します。

3年間で、100万人の女性がこれにアクセスできるようになり、法的な情報やヘルパーたちにアクセスできるようにしようと考えています。

https://www.google.org/impact-challenge/geledes/

Instituto Zero A Seis

乳幼児発達の初期段階(0歳~6歳)への教育投資が、その後の社会に大きな変化をもたらすことを実現するために活動する団体です。

携帯メールによる送受信可能なシステムを構築し、妊婦や乳幼児のいる母親に出生前や乳幼児期の子供の健康に必要な情報を提供することを目指しています。

1年間で、3つの市の15,000人の母親やその介護者への提供を目指し、5年間で100万人に提供しようと考えています。

https://www.google.org/impact-challenge/zero-a-seis/

Meu Rio

ブラジル国内の政策策定者と市民代表をつなぎ合わせて、市民が政策決定に参加することを目指す団体です。

一般市民が政策の策定や変更に参加できるようなアプリを広めようとしています。

5年以内に、20の市の360万人がアプリを使用できるようにし、3000の政策に参画できるようにすることを目指しています。

https://www.google.org/impact-challenge/meu-rio/

インド

Agastya

70%のインドの子供たちが科学技術の教育を十分に得られないことを解決しようとしている団体です。

トレーニングを受けた教師と最新のテクノロジーが詰まったバイク技術ラボというネットワークを立ち上げ、科学技術の知識のない地方の子供たちに教育を提供しようとしています。
また地域の教師たちに教室で実験をするための手法をトレーニングしようとしています。

3年間で、1629の学校の生徒と教師に科学教育のパワーを教えていく予定です。

https://www.google.org/impact-challenge/agastya/

Digital Green Trust

53%以上のインド人が農家として働いているが、社会や経済環境によって生活が不安定であり、それを克服するために活動している団体です。

農家が低コストで高生産性な農業技術を得るための支援するため、動画とオンライン知識共有プラットフォームを構築します。

3年間で、10,000の村の100万人の農民に農業技術のトレーニングを提供する予定です。

https://www.google.org/impact-challenge/digital-green-trust/

Janaagraha Centre for Citizenship and Democracy

地方選出議員や市民の代表に関係を持たない、390万人のインド人のために活動をしている団体です。

政府の代表者たちと関係を築けるオンラインの携帯アプリを構築しようとしています。
これにより、ユーザーは迅速で具体的な意見を政府の代表者たちに言うことができ、情報の非対称性を少なくすることができます。

3年間で、インド国内の3つの大都市に住む150万人の市民に対してこのサービスを提供します。

https://www.google.org/impact-challenge/janaagraha-centre-for-citizenship-and-democracy/

Social Awareness, Newer Alternatives (SANA)

インドの農村では衛生的な水やトイレがなく、深刻な病気が広まり、安全でない生活環境での生活を余儀なくされています。それらを解決するための団体です。

太陽光で発電できる、マイクロイオンの浄水装置とバイオ浄化型装置(トイレ)を提供し、よい水と生活環境を実現する予定です。

3年間で、5400万リットルの安全な水を住民に届け、10の農村にバイオ浄化型トレイを設置する予定です。
これにより毎年25,000人が健康で安全な生活が送れるようになります。

https://www.google.org/impact-challenge/sana/

最後に

このようにさらっと見ていくと、特定の分野に偏っているわけではないですが、どの団体も世界中どこでも応用可能なテクノロジーを使用しているのが分かります。

それにしても、世界には色々な社会問題解決アプローチがあって、様々な手法でテクノロジーを開発して、その解決を進めていこうとしているんだなと感じます。

「テクノロジーで、もっといい世界がつくれる。」

微力な一エンジニアですが、私もこれを信じているし、Googleがそれを証明してくれる日が来ることを願ってやみません。

※3日で1画面、1人月60万のエンジニアとして単純試算

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